子どもの貧困と保育の役割
8月28日、手元に「保育士会だより」が届きました。これは全国社会福祉協議会が発行しているものです。今回の特集は「子どもの貧困」です。「保育士会だより」を読みながら、改めて子どもの貧困と保育の役割を考えています。
平成26年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の施行が通知され、大綱も閣議決定されました。子どもの貧困問題が政治的課題になってきました。そして、貧困な家庭で様々な不利を背負って成長した子どもは、学力不足や低学力によって、大人になって安定した職に就けないといういわゆる「貧困の連鎖」を断ち切る社会的支援・政治的な仕組みの整備が緊急の課題と言われています。
それとともに、子どもの貧困対策として最も注目を浴びているのが保育の充実です。乳幼児期は学びの基礎を身に付ける大事な時期です。学びの基礎は、乳幼児で獲得しなければならない愛着であったり、他人を信頼できるかどうかという問題です。現在、幼児教育の世界では、詰め込み型の教育は子どもたちの学力とほとんど関係がないと言われています。それよりも、詰め込み型では形成されない応用力や思考力を育てるためには、他人とどれほど協力できるか、もっと言えば親や保育士などとどれだけ信頼関係を築けるかが重視されています。それは言い換えれば「保育の質」の問題です。質の良い保育は不利な状況にある子ども達によい効果をもたらしますが、質の悪い保育から最も悪影響をうけるのもまた、不利な状況にある子ども達です。
(引用・保育士会だよりNO.268)